オルガンの購入を考えている方へ
オルガンの購入はなかなか難しいものです。一生の間に何度も経験する事でないので、生まれてはじめての買い物だということがあります。
色々の問題で頭を悩ますことになります。
それでは色々の場合を順番に考えてみましょう。金額のことがまず一番気になるところです。
辻オルガンの値段は色々ですが、オルガンの大きさによってだいたい決まります。
個人用の一番小さい 300万円くらいのものから、コンサートホールのオルガン(それにも大小ありますが)5000万円位から数億円まであります。
そのようなわけで、まずオルガンの大きさを決める必要があります。
オルガンの大きさ
「大きい事は良い事だ」という意見もありますが、楽器としてのオルガンにはもっと大事な事があります。まず美しい音色、建物と調和した美しい形、指先から伝わる演奏者の意志を忠実・正確に音色に反映させるアクション。そしてここが特に大事なのですが、使う目的と場所にちょうど良い大きさのオルガンを創る事です。
それでは教会の場合と、個人の家の場合に分けて話を進めましょう。 (家庭用の場合はこちら)
教会の場合
辻オルガンでは教会オルガンの大きさを決めるとき、讃美歌を歌う人の声の音量をまず第一に考えます。それは大勢の人が元気に歌うときの声は意外に大きく、伴奏するオルガンにもそれに相応しい音楽的力が必要だからです。
その力ははその楽器のストップ数に大体比例します。ストップ数が多いほど、力も大きいという事です。
(ストップとは : オルガンの笛は1本が1音を発声します。それで音階をなす数十本の笛が1組となって使われます。この一組を1ストップと呼びます。)
教会オルガンのストップ数(大きさ)の目安として辻オルガンでは、歌う人の数(教会堂の座席数)をもとに次のような計算をいたします。
X = (教会堂の座席数 ÷ 50) + 3
最小限必要なストップ数 → X
標準的大きさのオルガンのストップ数 → X × 2
その場所で最も大型のオルガンのストップ数 → X × 3
座席数から計算したストップ数(オルガンの大きさ) | |||
座席数 | 最小 | 標準 | 最大 |
10 | 3 | 6 | 9 |
50 | 4 | 8 | 12 |
100 | 5 | 10 | 15 |
200 | 7 | 14 | 21 |
500 | 13 | 26 | 39 |
1,000 | 23 | 46 | 69 |
10人から1,000人にあてはめると右の表のようになります。
上の表をグラフにすると下のようになります。
オルガンの値段
オルガンの値段はストップ数に大体比例しますが、鍵盤が1段か複数か、ペダル鍵盤があるかどうかでも金額に大きな差が出ます。もちろん1段鍵盤ペダル無しが最もストップあたりの単価が低くなります。ストップの種類によっても異なりますが、大まかな値段は次の方法で見当がつきます。
辻オルガン価格の推定方法
1段鍵盤の場合(ストップ数 1から10)
2段鍵盤の場合(ストップ数 9から30 )
3段鍵盤の場合(ストップ数 25から40)
上のグラフからも解りますが、小型のオルガンの場合2段鍵盤より1段鍵盤の方が同じストップ数でも金額はかなり低くなります。
それは鍵盤そのものと、付随するメカニズムが簡単ですむからです。音色の変化、音量はストップが多い方が豊富です。鍵盤の数にはあまり関係ありません。
どうぞあなたの教会のオルガンの夢を描いて見てください。
普通の住宅の室内に置く場合。
辻オルガンで制作した日本の標準的住宅用のオルガンには次のような種類があります。
1 手鍵盤 ペダル無し |
1 手鍵盤とペダル |
2 手鍵盤とペダル 幅=1.3m 高さ=2.2M |
価格はStop 仕様により異なりますが、1 stop の場合の330万円から 9 stop 1700万円(運搬費・消費税別)位です。 |
天井の高いスタジオの場合はもっと自由に設計できます。東京の神埼邸の場合がそうです。
価格は2000万円以上で STOP 仕様によりいろいろです。